つぶやきとプログラミング

アメトーーク好きなWebエンジニア芸人

ドラクエとは素晴らしいものだ

バイト先の高田馬場までの運賃がなかったためにどうしようもなく自転車で60kmの行程を全力で漕ぎに漕いだ。自分の愛用していた8マンのクロスバイクは、昨年度、溝の口周辺の駐輪場に駐車していた際に盗られてしまったので、母親の愛機の電動付き自転車を借用した。出発する前までは、「弱虫ペダルの小野田くんもアキバまでの往復100kmをママチャリで行けてんだし、余裕っしょ!」といった勢いに乗っていたわけだが、いざ20km地点の代々木公園辺りまで来てみると、「あっるぇ〜、これしんどくね?てか交通量多すぎて怖っ」っという思いが湧き出てきた。行きの段階でひいこらひいこら言いながら漕いでやっとこさバイト先に着いた。そこで2時間ほどの会議が終わるやいなや復路である。

復路は壮絶の一言に尽きる。開始10kmにして電動チャリの充電が切れたためだ。これによって、一般のママチャリより厳しいハンディーを課せられた私は一層の地獄に突き落とされた訳である。命尽きた充電器と2.5kgの2012年製Macbook proを余分に背負いながらの旅は大変に苦しいものだった。私史上、ここまでの地獄は、中学時代に50m息なしクロールをした以来である。ようやく見知れた場所に帰ってきたときの感動といったら凄まじいもので、ラストスパートを追い込む私の耳には、「大長ガンバレ!」の声が鳴り響いておりベルリンオリンピックもかくやというほどであった。

今回の行程を振り返ってみて、なぜこんなにも苦境に立たされたのかと疑問に思ったところ、それは携帯を持っていなかったからであるとの結論に達した。現代において、スマホとはまるで魔法だ。普段よりそれに頼りっきりの私にはGoogleMapなくしての旅は完全なるアドベンチャーだった。豪邸が水平線まで立ち並ぶ世田谷区などは、私にとって未知の世界であり、アドベンチャーに不可欠なもやもやとした黒い感情が駆り立てられたものだ。かといって、良い思い出もあった。

それは、下北沢という駅はなかなかに面白そうな駅だと気づけた点だ。東西南北に大きく広がっているように思えた下北沢駅の城下町は、22時頃であるのにも関わらず、ほとんどの店が営業しており、かつ客席は多く埋まっていた。街並みは活気に溢れていて、子連れの家族から路上で汚く眠る学生、3, 4人で連れ歩くサラリーマンまで老若男女揃っていて、その色鮮やかさはドラクエパルミドを彷彿とさせた。話は変わるが、ドラクエの世界は酔い潰れるおっさん、ギャンブルに明け暮れるおっさん、人の物を漁る勇者などなどのクズが許される傾向にあるので、そんな懐の深いドラクエワールドに是非とも流行りの異世界転生してみたい。なるべくなら、ニマ大師にケツを叩かれて、ロウの記録を更新した変態師として名を馳せたい。