横文字なんて滅べばいいんだよ。
コンセンサス:集団合意
キャッシュフロー:資金繰り
ステークホルダー:利害関係者
リストラクチュアリング:企業再構築
レジュメ:資料
「海外の方が先に発展している分野だし、その言葉自体の解釈の幅が広すぎて日本語に落とし込めないんすよ」の意見は大いにわかる。
が、しかぁし!多すぎるよ。わかるんだけどさぁ。
横文字を使うのは、意味を伝えきるにはどうしても長くなってしまう概念に留めようよ。もしくは実体・そのもの自体を指す言葉「コーヒー」「ハンバーガー」「コップ」。
「セレンディピティ」とか「ヒューリスティック」、「イデア」とかが横文字そのままで使われるのは納得出来るさ。でも、既存の単語にそれ以上の意味を詰め込むのなら、普通に日本語で表した方がわかりやすいんじゃないか。
「じゃあ、KawaiiとかTsunami」とかどうなん??ってなるだろうけど、Kawaiiは「(in the context of Japanese popular culture) cute.」で日本アニメ文化のcuteって意味。
Tsunamiは「a long, high sea wave caused by an earthquake or other disturbance.」でbig waveじゃ伝わりきらない意味を内包している。
変に横文字を使わなければ、意味で混乱することもなくなる。なにより違う生業の人に対してすんなり意味が伝わる。
出来るだけわかりやすい言葉使おうよ。
さて、ここまで横文字を全否定したけど、別に横文字が嫌いなわけではない。
え、ほんならなにが言いたいねん!!
本質的に否定したいのは横文字ではなく、専門業界の用語を頻発しまくる人だったり本だったりの用語を使うTPOをわきまえていないもの。
横文字が槍玉なのは、単に専門用語に横文字が多いからに他ならない。言いたいのは「滅べ専門用語」だ。
ヲタクが早口でわけわからんアニメ文化をまくし立てるのをコケにするなら、ITコンサル()がわけわからん専門用語を詠唱するのにも同じ態度をとろうよ。一緒だよ一緒。
組織論の授業で出た、
— Hiroshi Watanabe (@Hiroshi99857672) November 5, 2019
「人は、自分が持つ情報を相手も持っていると勝手に思い込むようにできており、人の説明の多くは根本的に情報共有不足」
という点は常に意識したい。
「何で俺の説明が分からないの?アホなの?」と思う場合の多くは、相手がアホなのではない。
単に、自分の説明が不十分。
まさに言う通り。日本の工学者、松尾豊さんの論文『研究という営みを自省する』の中でも、論文を書くときに気にかける点として似たようなことを言っている。
一般的な研究者は(自分の専門から少しでも離れると)ごくごく「普通の人」ですから、そういう普通の人、平均的な人が、え、そうなの、面白いね、と思うようなものを生産するわけです。専門を極めた立場の人からは、明らかにレベルを落とさないといけません。
http://ymatsuo.com/papers/ichininsho.pdf
専門ではない人に対して説明をするときは明らかにレベルを落とす必要がある。
わかるはずもない聞き手には噛み砕いて説明するのが当然であり、それができないのはしゃべり手の傲慢だ。親切心が欠落している。
「コンセンサスとれた!?」、たとえば、このように自分の専門用語を放ったあとに聞き手が理解してないそぶりをしたとき
「え、コンセンサスもわからないの?(俺の周りは全員わかるんだけどなぁ)」と思う人は親切でない。
「〇〇の合意取れた!?」でよい。
ただ、気にかけるべきはしゃべり手だけではない。聞き手も「知らないウェイ」の度が過ぎれば「知らない自慢」になってしまう。
「〇〇だから、俺(私)それわかんないんだよね〜」という完全に開き直るやつだ。
〇〇には「テレビ見ないから」「アニメ興味ないから」などが往往にしてあてはまる。
これは案に「その話つまらんから、はよ違う話にせぇ」の意が含まれている。
聞き手の傲慢だ。聞き手も注意する必要がある。
余談、研究してる方、松尾豊さんの論文『研究という営みを自省する』を読んでみてください。引用のところにリンク貼ってあります。研究とは何かを二つの矛盾から考えていてとても面白いです。