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天才はあきらめた 感想 (南海キャンディーズ:山里亮太著)

天才はあきらめた
天才はあきらめた

あらすじ

「自分は天才にはなれない」。
そう悟った日から、地獄のような努力がはじまった。
「天才」になりたいけど、「天才」になることは無理だ。
じゃあ「モテる」ならできるんじゃないか?
そんなことから始まった山ちゃんの芸人ストーリー。

初期のコンビ結成は相方を男前にして、笑いは自分でとるというスタイルで売れようと考えていた。
ただお笑いにストイックが過ぎるがあまり相方にも同じぐらいの努力を要求し続けた。
しまいには男前で温厚だった相方は、ストレスで頬がこけて禿げてしまった。
一度ならず二度も同様な喧嘩をしてコンビ解散、失敗を経験する。

三度目のコンビ、南海キャンディーズを結成。
南海キャンディーズ結成後も幾度の失敗を経験、一度は真剣にやめようかと思った時期もあった。
だが、これまでの自信や怨念を糧に立ち上がり、
キングコング・千鳥などの同期、先輩からの激励を受けながら、
南海キャンディーズとしてスターダストを駆け上っていく。

本書を手に取ったきっかけ

僕が、山ちゃんの本を読むまでに山ちゃん好きになったのはテラスハウスの副音声がはじまり。
テラスハウスの副音声では山ちゃんが「童貞ポリス」に扮して、スカしたテラスハウスの出演者に物申していく。
その語彙力・言葉選び・テンポが爽快で瞬く間に虜になった。

山ちゃんはテラスハウスの副音声の収録後にも、NetFlixYoutubeチャンネルで一人で話す。
30分前に副音声で言ったことでもYoutubeチャンネルの方だとより激辛に表現する。
それがまた面白くて一向に飽きがこない。
副音声では自粛していたことをぶちまけるので最高だ。

www.youtube.com


一体、この超人的な言葉選びはどこから生まれているのか。
考え方の原点はなにか。ものの見方が根本的に違うはずだ。
その根源を知りたくて、本書を手に取った。

みどころ

1. 自身貯金と怨念ノート

途中で紹介される「自信貯金」と「怨念ノート」が面白い。

「自信貯金」は、褒められたり評価されたときの思い出をストックする。
極度の緊張や自信がなくなりそうなときに貯金を切り崩して自我を保つ。

「怨念ノート」は、自分が腹が立ったことを書き連ねて忘れないようにする。
怒りをお笑いへガソリンに変換する。

本人の異常なまでの努力とその努力を引き起こす怨念のパワー。
にしても、恐ろしいほどの怨念パワー。。。
なにが彼をここまで突き動かすのか。

怨念ノート
怨念ノート

2. しずちゃんとコンビを組みたい!

しずちゃんをコンビに勧誘する行動力が常軌を逸していた。

とにかくしずちゃんの情報を集めた。
好きなお笑い、好きな漫画、好きな番組、それらを全てチェックして情報を頭の中に叩き込んだ。
それをどう使うか?次に会えた時に自然と話題に出す。向こうがそれを好きだということは知らないていで話す。
それによって、僕のことを「お笑いのセンスが合う人」と思い込ませる。

この策略をひっさげて、しずちゃんをスイパラに探す。
黙々とスイーツを食べているしずちゃんに「ジョジョ」や「ドラゴンボール」の話題を振る。
作戦が功を奏したようで、しずちゃんからも良い反応が返ってくる。
そのスイパラでの会合をきっかけにコンビが結成された。

読んでいて「おぉ〜」っとなった。
好きなお笑い、好きな漫画、好きな番組、それらを全てチェックして情報を頭の中に叩き込んだ。
ストーカーじみた行動ではあるが、目的を達成するために努力を厭わない山ちゃんの姿勢がビシビシ感じ取れる。
僕だったら本を一冊読むだけでも疲れ切っちゃうのに。。。
とんでもない体力ととんでもない執念

天才と努力

山ちゃんはたくさんの壁にぶつかって、
反省を繰り返して悩み、考え抜いたからこそ、
いまの鋭利なツッコミを手にしたのだと思う。
最後に、解説でオードリー若林がこのように書いている。

山里良太は99%の成功があったとしても1%のミスに注目する。
彼は、その1%のミスと今も毎日毎日格闘している。
その1%を帰り道で反芻し、苦悶する。
家に帰ってからはノートやパソコンに反省を書き出す。
その後今後同じシチュエーションになった時の対策を書き込む。
そして、次の日の仕事のプランを練ってから自慰行為をしてようやく朝方に眠るのである。

とにかく山ちゃんは反省の仕方が尋常ではない。
自分のメンタルを切り裂くほどに反省している。
血みどろな努力に裏打ちされているのだと知った。

セクタムセンプラ
セクタムセンプラ

そういえば、アメトーークの総合演出を担当している加地Pも著書の『たくらむ技術』でバラエティ番組を作るとき、仕事への丁寧さと反省を大事にしていることを確かに書いていた。
「どれだけ忙しくてもアメトーークはリアルタイムで見る」
これをずっと続けている。

面白い人は、天才だからだと思っていた。
面白いことを言う人・企画する人は、天才ゆえではなく、
尋常ならざる量のトライアンドエラーを試して、
見えざる努力を続けたから、砂漠で砂金を見つけたのだと思う。

砂金だぁー!!
砂金だぁー!!

何かに挑戦したら確実に報われるのであれば、誰でも必ず挑戦するだろう。報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続しているのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。
羽生善治

山ちゃん結婚おめでとうーー!!!!